デザインの世界において、適切なフォントの選択は非常に重要です。フォントは作品の雰囲気や印象を大きく左右し、ユーザーの関心を引きつけるのに欠かせない要素となります。しかし、使いたいフォントが見つからない、という悩みも少なくありません。幸いなことに、プロのデザイナーが活用している便利なフォント検索ツールが数多く存在しています。本記事では、そうしたツールの活用方法やコツを紹介しながら、フォント選びの幅を広げていきましょう。
Contents
フォント検索ツールの種類
プロのデザイナーが利用しているフォント検索ツールは様々です。それぞれのツールには一長一短があり、用途に合わせて使い分ける必要があります。
画像からフォントを検索
写真やWebサイト、印刷物の画像からフォントを特定できるツールとして、「WhatTheFont」や「Adobe Capture」が便利です。カメラで撮影した画像をアップロードするだけで、類似のフォントがリストアップされます。画像内の文字がわずかな一部でも、フォントの特徴を認識してくれるのが魅力です。Adobe Captureはスマートフォンアプリなので、外出先でも気になったフォントをその場で検索できます。ただし、日本語フォントには対応していないため、ラテン文字のフォントのみ検索可能です。
フォントの特徴から検索
フォントの形状や特徴からフォントを検索できるツールとして、「Identifont」や「What Font is」が有名です。セリフの有無、文字の太さ、装飾の有無など、フォントの特徴を選択していくことでフォントが絞り込まれていきます。こうしたツールは画像認識ではなく、フォントの外観的な特徴から検索するため、手書きの文字や歪んだ文字でも検索が可能です。一方で、一つ一つ詳細な特徴を指定する必要があるため、時間がかかるのがデメリットです。
Webフォント検索ツール
Webサイトで利用できるWebフォントを検索するには、「Google Fonts」や「Adobe Fonts」がおすすめです。開発者向けのツールですが、無料で使えるフォントが多数用意されているのが魅力です。Google FontsにはSerif、Sans Serif、Displayなど様々なカテゴリーが用意されており、言語や文字種、人気度でもフォントを絞り込むことができます。Adobe Fontsも同様に、デザインのジャンルやプロジェクトの目的に合わせてフォントを選べます。


フォント検索のコツ
フォント検索を効率的に行うためのコツをいくつかご紹介します。
フォントの種類を把握する
検索の前に、欲しいフォントがどの種類なのかを把握しておくことが重要です。セリフ体、サンセリフ体、装飾体、手書き体など、フォントにはさまざまな種類があります。作品に合ったフォントを選びやすくなります。また、日本語のフォントとラテン文字のフォントでは、検索するツールを使い分ける必要があります。日本語フォントを検索したい場合は、専用のツールを利用しましょう。
フォントの用途を意識する
フォントの選び方のコツは、用途を意識することです。Webサイトで使うのか、印刷物で使うのか、その目的によってフォントの条件は変わってきます。例えば、Webサイトの場合は軽量で読みやすいフォントが求められます。一方、印刷物では装飾性の高いフォントが適している場合があります。用途に合わせてフォントを選ぶことが大切です。
有料フォントと無料フォントの違い
フォントには有料のものと無料のものがあり、用途に合わせて使い分ける必要があります。無料のフォントは個人利用に限られていることが多く、商用利用する場合は有料のフォントを選ぶ必要があります。有料のフォントは、品質が高く文字が綺麗であることが特徴です。一方で無料のフォントは、品質にばらつきがあり、使い勝手が悪いものもあります。予算とデザインの重要度を考慮してフォントを選びましょう。


デザインツールに備わるフォント検索機能
プロのデザイナーが使うグラフィックソフトには、フォント検索機能が備わっているものがあります。
Adobe Illustratorの「Retype」機能
Adobe IllustratorのRetypeは、画像や図形からフォントを自動で検出してくれる機能です。アウトライン化された文字でも、フォントを判別し編集が可能になります。複雑な操作は一切不要で、フォントをすばやく特定できるのが魅力です。Retypeは現在ベータ版の機能ですが、ラテン文字と日本語フォントに対応しています。アウトライン後の文字編集に悩むデザイナーにとって、Retypeは必須のツールと言えるでしょう。
Adobe PhotoshopのMatch Font機能
Adobe PhotoshopにはMatch Fontと呼ばれるフォント検索機能があります。写真やイラストに使われているフォントを特定し、類似のフォントを提案してくれます。Match Fontはアプリケーション内のコマンドですが、日本語フォントにも対応しているのが魅力です。気に入ったフォントがあれば、そのままPhotoshopで編集作業に入ることができます。


クリエイティブな作品作りにつながるフォント検索
これまでご紹介したフォント検索ツールを上手に活用することで、新しいデザインの可能性が広がるはずです。ひとつのツールに頼らず、複数のツールを組み合わせて使うのがコツです。
多様なフォントを知る
フォント検索ツールを使えば、世界中の多様なフォントに触れることができます。普段は気づかないようなフォントに出会える可能性があります。刺激を受けることで、新しいデザインのアイデアが浮かぶかもしれません。特にポップな書体やユニークなフォントは、目を引くデザインを作るのに役立ちます。ときにはマイナーなフォントを使ってみるのも面白いでしょう。
観察力を養う
フォントを探すプロセスを通して、観察力が養われます。フォントの細かな特徴を見逃さないようになれば、ビジュアルデザインの感度も自然と上がっていきます。
フォント選びは、デザインの基礎を学ぶ良い機会です。プロのデザイナーたちも、実際の制作を通してフォントの重要性を体得してきました。フォント探しを続けることで、デザイナーとしての感性が磨かれていくでしょう。


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