動画編集は創造的で楽しい趣味ですが、初心者にとってはハードルが高いと感じられるかもしれません。しかし、適切なソフトウェアとモーショントラッキングの知識さえあれば、誰でもプロ並みの動画を作ることができます。本記事では、動画編集の基礎からモーショントラッキングの応用までを解説します。ぜひ、これを機に動画編集の世界に飛び込んでみてください。
Contents
モーショントラッキングとは?
モーショントラッキングとは、動画内の特定のオブジェクトやポイントを追跡し、その動きに合わせて他の要素を配置する技術です。例えば、人物の動きに合わせてテキストを追従させたり、背景映像に別の映像を合成したりすることができます。この機能を使いこなせば、臨場感あふれる動画を作ることができるでしょう。
ポイントトラッキング
ポイントトラッキングは、動画内の特定の点を追跡する手法です。対象物に印をつけ、その印の動きを解析することで、対象の移動経路を特定できます。この方法は比較的簡単で、テキストの追従などに活用されています。初心者でも扱いやすいFilmoraなどのソフトウェアには、ポイントトラッキング機能が搭載されています。動画内の任意の点をクリックするだけで、その点の動きをトラッキングできます。テキストやグラフィックスをその点に固定すれば、自動的に追従するようになります。
平面トラッキング
平面トラッキングは、動画内の平面的な領域を追跡する手法です。壁面や床、本などの平らな面を設定することで、その平面上で別の映像や画像を合成できます。製品紹介映像などに活用されています。AviUtlなどのソフトウェアでは、平面トラッキングが可能です。動画内の平面領域を指定し、その領域の動きをトラッキングすることで、動きに合わせて別の映像を重ねられます。レイヤー構造を工夫することで、より高度な合成が実現できます。
3Dトラッキング
3Dトラッキングは、動画内の3次元的な動きを追跡する高度な手法です。カメラの動きや被写体の奥行きなどを解析し、3D空間上にCGオブジェクトを配置できます。映画の特殊効果などに利用されています。After Effectsなどのソフトウェアでは、3Dトラッキング機能が提供されています。動画から複数のトラッキングポイントを設定し、それらの相対的な動きから3D空間を推定します。そこにCGキャラクターや建物、文字などを配置すれば、まるで実際にそこにあるかのような映像が作れます。
動画編集ソフトウェアの選び方
モーショントラッキングを活用するためには、適切な動画編集ソフトウェアの選択が重要です。初心者向けからプロ仕様まで、様々なソフトウェアが存在します。それぞれの特徴を理解し、目的に合わせて使い分けましょう。
初心者向けソフトウェア
動画編集の入門者には、Wondershare FilmoraやCorel VideoStudioなどのソフトウェアがおすすめです。直感的なインターフェースと豊富なテンプレート、手軽なモーショントラッキング機能が用意されています。Filmoraには無料版と有料版があり、無料版でもモーショントラッキングが使えます。また、公式サイトでチュートリアル動画が提供されているので、初心者でも簡単に操作を学べます。
<ソフトウェア名:Wondershare Filmora/Corel VideoStudio>
- OS:Windows・macOS/Windows
- 価格:フリーミアム/有料
- モーショントラッキング:△/△
- カラーグレーディング:△/△
中級者向けソフトウェア
経験を積んだ中級者には、AviUtlやDaVinci Resolveがおすすめです。プロ仕様の機能が搭載されており、高度なモーショントラッキングや合成が可能です。また、拡張性が高く、プラグインを追加してさらに機能を拡張できます。
<ソフトウェア名:AviUtl/DaVinci Resolve>
- OS:Windows/Windows・macOS
- 価格:有料/フリーミアム
- モーショントラッキング:◯/◯
- カラーグレーディング:△/◯
【サイトリンク】
AviUtl公式サイト
DaVinci Resolve公式サイト
プロ仕様ソフトウェア
本格的な映像制作を目指す場合は、After EffectsやMotionなどのプロ仕様ソフトウェアがおすすめです。高度なモーショントラッキングやVFXに対応しており、多くの映画やCMで使用されています。一方で、これらのソフトウェアは操作が複雑で、習得にかなりの時間を要します。豊富な公式リソースやオンライン講座を活用しながら、段階を踏んで学習していくことが肝心です。
<ソフトウェア名:After Effects/Motion>
- OS:Windows・macOS/macOS
- 価格:有料/有料
- モーショントラッキング:◯/◯
- カラーグレーディング:◯/◯
【サイトリンク】
After Effects公式サイト
Motion公式サイト
モーショントラッキングの応用
モーショントラッキングを習得すれば、様々な創造的な表現が可能になります。ここでは、モーショントラッキングの代表的な応用例をいくつか紹介します。
テキストの追従
動画内の被写体に合わせてテキストを追従させることができます。製品の特徴を解説したり、キャラクターにセリフを付けたりと、さまざまな使い道があります。ポイントトラッキングを活用すれば、簡単に実現できます。テキストの配置や効果にも工夫の余地があります。例えば、吹き出しに文字を入れたり、アニメーション効果を加えたりすることで、より魅力的な演出が可能です。また、テキストの表示タイミングを調整することで、動画の臨場感を高められます。
CGオブジェクトの合成
3Dトラッキングを活用すれば、実写映像にCGオブジェクトを合成できます。特殊効果やファンタジーの表現など、クリエイティビティを存分に発揮できるでしょう。After EffectsやBlenderなどのソフトウェアを使えば、3Dトラッキングが比較的簡単に行えます。動画から解析したカメラの動きに合わせて、3DCGキャラクターや建物、アイテムなどを配置できます。合成の精度を上げるため、照明設定やシェーダーの調整も重要になってきます。
カメラワーク
モーショントラッキングを使えば、カメラワークの再現が可能です。パン、チルト、ズームなどのカメラ動作を再現し、実写映像に疑似的に加えることができます。インタビューなどで固定カメラを使用している場合、この手法で動きを付け加えられます。AviUtlのモーショントラッキング機能では、初期設定としてカメラワーク用のプリセットが用意されています。そのため、動画上で適当な点をいくつか設定するだけで、簡単にカメラワークを再現できます。この機能を駆使すれば、動画にメリハリと魅力を与えられます。
モーショントラッキングのコツ
モーショントラッキングを上手に活用するには、いくつかのコツを押さえておく必要があります。適切な設定と準備を行えば、よりクオリティの高い動画制作が可能になります。
トラッキングポイントの設定
モーショントラッキングの精度は、トラッキングポイントの設定に大きく左右されます。ポイントの数が多ければ多いほど、精度は上がりますが、演算処理が重くなります。一方、ポイントが少なすぎると、トラッキングに失敗する可能性があります。適切なポイント数を設定するコツは、以下の通りです。
- コントラストの高い部分を選ぶ
- 動きの大きい部分を避ける
- 複数の面に分散させる
- 推奨値を参考にする
またトラッキングポイントの自動設定機能を利用すると、手間を省くことができます。設定の確認と微調整が必要ですが、作業効率は大きく改善されるでしょう。
フレームレートの調整
モーショントラッキングの精度は、フレームレートにも影響を受けます。フレームレートが高ければ高いほど、細かい動きもスムーズに追跡できます。一方で、フレームレートが低すぎると、トラッキングが途切れてしまう可能性があります。フレームレートを調整する際は、以下のポイントに注意しましょう。
- 被写体の動きに合わせて調整する
- パフォーマンスにも影響があるため注意
- 必要以上に高く設定しすぎない
動画編集ソフトウェアの設定で、フレームレートの変更が可能です。動画の内容を確認しながら、適切な値を探っていきましょう。


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