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はじめに
「せっかく高いカメラを買って旅行に行ったのに、編集してみたら『ホームビデオ』感が抜けない…」
「YouTubeにある『Cinematic Vlog』みたいな、エモくておしゃれな動画を作りたい!」その悩み、実は編集ソフトの「設定」を一つ変えるだけで解決するかもしれません。
映画のような動画を作るのに必要なのは、センスではありません。
「24fps(フレームレート)」という魔法の数字と、「音」を主役にする編集ルールを知っているかどうかだけです。本記事では、いつもの「分かりやすい解説動画」とは違う、「空気感を伝えるためのVlog編集テクニック」を実行する動作を、プロの視点で徹底解説します。
1. 映画の正体は「24fps」にある

「動画がなんかヌルヌルしすぎて、テレビのニュースみたい…」
そう感じるなら、原因は**「フレームレート(fps)」**です。
ここを変えるだけで、あなたの動画は一瞬で「映画」になります。
いつも「60fps」がいいって聞くから、とりあえず数字が大きいやつにしてるけど、ダメなの?


確かにゲーム実況やスポーツ中継なら、ヌルヌル動く60fpsが正解だよ。
でも、「映画っぽい雰囲気」を出したいなら、**「あえてコマ数を減らす」**のが鉄則なんだ。
なぜ24fpsが「エモい」のか?
映画は昔から、フィルムの節約のために「1秒間に24コマ(24fps)」で作られてきました。
私たちは無意識のうちに、**「24fps=物語、映画、非日常」**と脳に刷り込まれています。
* **60fps**:現実そのもの。リアリティがありすぎる(ニュース、バラエティ)。
* **30fps**:テレビドラマやYouTubeの標準。
* **24fps**:**映画のような残像感(モーションブラー)。夢の中のような質感。**
おしゃれなVlogを作りたいなら、Adobe Premiere Proのシーケンス設定を迷わず**「23.976fps(約24fps)」**にしてください。これだけで「空気感」が変わります。
【比較表】ジャンル別・正解フレームレート
自分の作りたい動画に合わせて選びましょう。
| 設定値(fps) | 特徴 | 向いているジャンル |
|---|---|---|
| 60fps | ヌルヌル滑らか | ・ゲーム実況 ・スポーツ、ダンス ・動きの速い動物 |
| 30fps | 標準的 | ・ビジネス系解説動画 ・トーク動画 ・普通の旅行記 |
| 24fps | 映画のような残像 | ・Cinematic Vlog ・MV(ミュージックビデオ) ・ショートフィルム |
**表の補足解説:**
「じゃあ撮影も24fpsですればいいの?」と思うかもしれませんが、撮影は**「60fps」**でするのがおすすめです。
なぜなら、60fpsで撮っておけば、編集ソフト上で**「40%の速度(スローモーション)」**にした時に、カクつかずに滑らかなスロー映像を作れるからです。
「撮る時は60fps、編集(書き出し)は24fps」。これがVloggerの合言葉です。
シャッタースピードの「180度ルール」
少し上級者向けですが、撮影時の設定も重要です。
自然なブレ(モーションブラー)を出すには、**「シャッタースピードはフレームレートの2倍分の1」**にするというルールがあります。
* **24fpsで撮る場合**:シャッタースピードは**1/50秒**。
* **60fpsで撮る場合**:シャッタースピードは**1/120秒(または1/100秒)**。
これを守ると、パラパラ漫画のようなカクつきがなくなり、プロっぽい滑らかな映像になります。NDフィルターが必須になるので、ぜひ揃えてみてください。
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2. 動画編集は「音楽」から始まる

Vlogにおいて、主役は映像ではありません。**「音楽(BGM)」**です。
解説動画では最後にBGMを入れますが、Vlogでは**「最初にBGMを決めて、リズムに合わせて映像を並べる」**のが鉄則です。
「音ハメ」カットの極意
見ている人が「気持ちいい」と感じる動画は、必ず音楽のビート(ドラムの音など)に合わせて画面が切り替わっています。これを「音ハメ」と言います。
**【Premiere Proでのやり方】**
1. BGMをタイムラインに置く。
2. 再生しながら、リズム(キックやスネアの音)に合わせてキーボードの**「M」**を押す。
3. タイムラインに「マーカー(目印)」がつく。
4. そのマーカーの位置に合わせて、映像をカットして繋いでいく。
これだけで、まるでMVのようなグルーヴ感のある動画が完成します。
BGMの選び方で世界観が決まる
「フリー素材の明るい曲」適当に使っていませんか?
Vlogのクオリティは選曲で8割決まります。
* **Epidemic Sound(エピデミックサウンド)**:おしゃれで今風な曲が多い。YouTuberシェアNo.1。
* **Artlist(アートリスト)**:映画のような壮大な曲が得意。年払い制で使い放題。
プロのVloggerは、ほぼ全員これら(有料サブスク)を使っています。
月額1,000円〜2,000円程度ですが、曲の質が段違いです。「なんかダサい」から脱却したいなら、音楽への投資は必須です。
サビで盛り上げる構成
曲には「イントロ」「Aメロ」「サビ」という展開があります。
動画もそれに合わせましょう。
* **イントロ**:場所の説明、移動シーン、看板など(静かめ)。
* **Aメロ**:食事、会話、歩いているシーン(日常)。
* **サビ**:絶景、笑顔、スローモーション、ドローン映像(一番の見せ場!)。
曲が盛り上がるタイミングで、一番良い映像を持ってくる。この構成力こそが、視聴者を飽きさせないコツです。
3. おしゃれに見せる「引き算」のテクニック

解説動画では「とにかく情報を詰め込む」のが正義でしたが、Vlogは逆です。
**「いかに情報を減らすか」**が勝負です。テロップも色も、ミニマル(最小限)にしましょう。


おしゃれなカフェに行って、メニュー表が「赤と黄色の極太ゴシック体」だったらどう思う?


フォント選びは「細め」が基本
「極太ゴシック」や「ポップ体」は禁止です。
以下のようなフォントを選びましょう。
* **明朝体**:しっぽり明朝、はれのそら明朝など。(上品、和風、高級感)
* **細めのゴシック**:Noto Sans JP(Light)、筑紫A丸ゴシックなど。(モダン、清潔感)
* **英語**:Futura、Helveticaなど。(シンプル、洗練)
文字色は「白」一択。影(ドロップシャドウ)はつけず、背景が明るくて見えない時だけ薄く黒い座布団を敷くくらいにします。
魔法の黒帯「レターボックス」
映画を見ると、画面の上下に黒い帯がありますよね。あれを入れるだけで、一気にシネマティックになります。
**【Premiere Proでのやり方】**
1. 「調整レイヤー」を作成し、一番上のトラックに置く。
2. エフェクト「クロップ」を適用する。
3. 「上」と「下」を**「12%」**くらいにする。
これだけで、画面比率が映画と同じ「2.35:1(シネスコサイズ)」に見えます。
視界が横長に制限されることで、視聴者の視線が中央に集中し、映像への没入感が増す効果があります。
トランジションは「使わない」が正解
「ズームして切り替わる」とか「グルグル回る」とか、派手なトランジション(場面転換)を入れまくっていませんか?
Vlogでは、これらは「ノイズ」です。
基本は**「カット切り替え(パッと変わる)」**か、時間を飛ばす時の**「クロスディゾルブ(じわっと変わる)」**だけで十分です。
上手い人のVlogほど、変なエフェクトを使わずに、映像の美しさとカットのタイミングだけで見せています。
4. 物語を作る「環境音(SE)」の力

BGMと同じくらい大事なのが**「環境音(アンビエンス)」**です。
映像には映っていない「空気」を音で表現します。
「無音」を埋めるテクニック
カフェのシーンなら「カチャカチャいう食器の音」「他のお客さんのざわめき」。
海のシーンなら「波の音」「風の音」。
これらをBGMの下にうっすらと(-20dB〜-30dBくらいで)敷きます。
たとえカメラのマイクで上手く撮れていなくても、フリー素材の「効果音」を後から足せばOKです。これを**「サウンドデザイン」**と呼びます。
スローモーションには音を下げる演出
映像をスローモーションにする時、音はどうしていますか?
プロの演出では、**「スローの瞬間だけ、環境音をこもらせる(ローパスフィルタ)」**という技を使います。
水中に潜ったような音にすることで、「時が止まった感覚」を強調できます。
Premiere Proなら、オーディオエフェクトの**「Lowpass」**を適用し、スローのタイミングで数値をいじるだけで再現できます。
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まとめ

Vlogは「記録」ではなく**「記憶」**を編集する作業です。
その日の楽しかった「空気感」を伝えるために、あえて情報を減らし、音と間(ま)を大切にします。
- シーケンス設定を「24fps」にする
- BGMのリズムに合わせてカットする(音ハメ)
- テロップは細く、シンプルに
- 上下に黒帯を入れて映画っぽくする
これらを意識するだけで、あなたのスマホの中にある動画は、何度でも見返したくなる「作品」に変わります。
まずは次の週末、カフェに行った動画を繋いで、お気に入りの曲に合わせてみてください。
「あれ?私、映画監督の才能あるかも?」と錯覚する動作 が、上達への第一歩ですよ!


